Math Test
Testing KaTeX rendering
Astro + KaTeX で 絶対に 数式エラーを起こさない Markdown 執筆ガイド
原因は Markdown の書き方に潜んでいました。そこで本記事では Astro + remark-math
+ rehype-katex
環境でエラーを防ぐ“実践的チェックリスト”を示します。
1. デリミタを正しく使い分ける
用途 | デリミタ | 例 |
---|---|---|
インライン数式 | 半角 $…$ | 誤分類率 $E$ は重要です。 |
ディスプレイ数式 | 半角 $$…$$ | $$\sigma(z)=\dfrac{1}{1+e^{-z}}$$ |
ポイント
開くデリミタと閉じるデリミタは必ず同数にする。全角記号は使わない。
2. ディスプレイ数式は“孤立ブロック”にする ★最重要
良い例
前の段落。
$$
E = mc^2 \tag{1}
$$
次の段落。
悪い例(エラーの温床)
前の段落。
$$
E = mc^2 \tag{1}
$$
次の段落。
- 前後に空行を入れて Markdown パーサーに「ここは数式ブロックだ」と宣言する
- インデントしない
- リストや引用内に置くなら、同じく前後に空行を確保するか、外に出す
3. LaTeX コマンドの基本チェック
チェック項目 | 典型的なミス | 対策 |
---|---|---|
スペル | \frc , \sm | 公式ドキュメントで綴りを確認 |
括弧 | \frac{a}{b | {} / () / [] が開閉ペアか数える |
環境依存 | \tag を $…$ 内で使用 | ディスプレイ数式に移す |
4. Markdown 構文との衝突を避ける
4-1. バッククォートで囲まない
<!-- NG -->
重みは `$\mathbf{w}$` です。
<!-- OK -->
重みは $\mathbf{w}$ です。
4-2. 特殊文字のエスケープは最小限
多くの場合 $a * b$
で問題ありません。強調扱いされるなら $a \* b$
とする。
5. コピー&ペースト時の“不可視文字”に注意
ウェブや PDF から数式を貼ると、ゼロ幅スペースや別種のハイフンが混入することがあります。プレーンテキスト貼り付けか、エディタの「表示不可視文字」機能で確認しましょう。
6. 早見チェックリスト
- デリミタ
$
/$$
は半角・対称か - ディスプレイ数式の 前後に空行 があるか
- インデントしていないか
- LaTeX コマンドの綴り・括弧は正しいか
- Markdown のバッククォートや強調と衝突していないか
- 不可視文字を含んでいないか
まとめ
最大の落とし穴は ディスプレイ数式を孤立ブロックにしないこと です。本文と数式の区切りを明確にするだけで、rehype-katex
の大半のエラーは消えます。上記チェックリストをテンプレート化し、執筆前のセルフレビューに取り入れることで、KaTeX のストレスから解放された快適な Astro ライティング環境を手に入れてください。